今回は、YouTube アバタローチャンネルでおすすめの宮本武蔵[五輪書]をご紹介します。
どんな方に見て欲しいかというと、本好きな方は勿論のこと、本の解説動画・字幕付きの動画で内容を知りたい方。私の隠れファンの方に向けて発信しています。(´罒`)ニヒヒ
紹介する解説動画は、YouTube アバタローチャンネルです。ご存じない方は、コチラの記事からどうぞ👇 www.dokiwaku-everyday.com
[五輪書]は、真剣勝負において負け知らずだった宮本武蔵が、50歳の頃に体得した兵法の極意書です。
兵法の道における『勝つ道理』については、勝負の世界で生きるスポーツマンの方に通じる部分であり、心の在り方は、普通の人にも通じる部分です。
[五輪書]アバタローチャンネル
宮本武蔵の[五輪書]を動画解説しているのは、魅惑のボイスと分かりやすい解説でお馴染みの、書評YouTuber アバタローさんです。
動画の再生時間は16分と短いので、ちょっとした空き時間を利用して視聴されてみてはいかがでしょうか。
動画内でこの[五輪書]は、アバタローさん曰く、人生全般における戦略本であると言われていました。人生全般に役立つとなれば、避けて通れない人も多いのではないでしょうか?
[五輪書]字幕付き動画のご紹介
[五輪書]を字幕付きで閲覧されたい方は、『Amara』のサイトをご利用ください。ログイン不要で閲覧が可能です。
ただ、残念なことにスマホやiPhoneでは、字幕付き動画の閲覧ができません。大変申し訳なく思っております。🙇♀️ ペコリ
STAY HOMEのお楽しみとして、ご活用いただければ幸いです。
字幕閲覧中のおねがい
閲覧中、字幕に違和感を感じられましたら、コメント欄からご報告いただけると助かります。 その際、お知らせいただきたいことは、以下の3点です。
老眼( 一一)の目を持つ私は、幾度と目を細めながら(寝てるの?)チェックはしておりますが、見逃しているかもしれません。
是非…皆さまのお力をお借りしまして、より良いものに変えて行けたらと思います。
[五輪書]から学ぶこと
時代が違う私たちにとって、兵法に興味がもてない人も多いと思います。
しかし、何かを極めた人の物事に対する見方や考え方に興味がある方は、多いのではないでしょうか。私もその一人として、本を手にとってみました。
現代は、昔と違って多くの血が流される争いは減ったものの、ビジネス合戦の続く戦乱の世であることには変わりはありません。
・・・ということで、負け知らずの武蔵から現代の私たちにも役立つ内容を学んでみたいと思います。
この[五輪書]は、5つの構成で成り立っています。
このブログでは、できるだけ普通の人に役立つ部分をピックアップしてみようと思います。
地の巻

【地の巻】は、兵法における真直ぐな道の
”地均し” 部分じゃ
【地の巻】は、兵法の道に入る前の基本的な部分と『二天一流』の基本的な考え方が書かれています。
[五輪書]の構成については、先に上記でお伝えしたので、それ以外で役立つ情報をこれからお伝えします。
宮本武蔵について
宮本武蔵は安土桃山時代(1582年)に、現在の兵庫県 南西部に位置する播磨の国に生まれました。
名を新免武蔵守藤原玄信(しんめんむさしのかみふじわらのはるのぶ)と呼び、江戸時代初期(1582~1645年)の頃の剣豪です。
子供の頃から武術に興味を示し、日々鍛錬を続けた武蔵が、初めて勝負に挑んだのは、13歳の頃でした。その勝負に勝った武蔵は29歳の頃まで、およそ60回近く勝負をし、負け知らずだったそうです。
そんな彼が30歳を越えた頃に、それまでの戦いを振り返っています。

ワシが今まで負け知らずだったのは、兵法の道を極めたからではない!
この振り返りによって武蔵は、更に兵法の道における『勝つ道理』を得ようと、日々...鍛錬し追求していくことになります。
『二天一流』極める
日々の鍛錬によって武蔵は、50歳の頃に兵法の道を体得し、それ以降は自分で見出した勝つ道理に従って、様々な武芸を習得していったのです。
そんな武蔵の戦法は、2本の刀を用いた二刀流だということは、皆さんもご存じだと思います。
その兵法の名を武蔵は、『二天一流』と称し、書物に書き記したのは60歳の頃でした。それが、この[五輪書]という訳です。
武蔵の才能は、兵法だけに止まらず、芸術家としての才能も開花させていきました。墨絵や絵画、細工などの創作活動も行っていたのです。本書の表紙を飾る絵は、武蔵が描いた『枯木鳴鵙図』です。
文武両道と自分の武器は使いきれ!

兵法の道を極めた武蔵は、武士たちに文武両道であるべきだと言います。
それは何故か!
兵法において『勝つ道理』に必要なことは、戦術だけではないからです。
それが分かるのが、[五輪書]の中で武蔵が幾度とある言葉を使っていました。 その言葉が、よくよく考えるです。
【地の巻】から【空の巻】を書き終えるまで、なんと70回!自分の頭でしっかり考えろ!と言っていました。 頻繁に出て来ていた言葉だったので、思わず数えてしまった訳です。(笑)
そんな武蔵は、武士たちに言います。
なんとも武士らしい言葉ではありませんか。
そこで、私もこの武蔵の言葉を現代風に置き替えてみました。
『能力』と言うとちょっと難しく考えがちですが、私たち個人個人に備わる能力と言えば『個性』です。親から受け継いだものでもなく、先祖から受け継いだものでもなく、自分のDNAに組み込まれた?
新たな回路によって生み出されていく『個性』を使って、自分の好きなこと、得意なことを武器にして、それを人生で使い切る!...に言いかえてみたのですが、これぞ!現代人にとっての本望と言えるのではないでしょうか。
水の巻

最初に言っておくが・・・
兵法の全てを落ち度なく詳細に書き分けることは難しい。文章の構成によっては、上手く内容が続かない部分もあるが、勝つ道理を自分のものとして、よくよく頭で考え納得させることじゃ!
武蔵は、[五輪書]を書きながら、自分自身でも上手くまとまっていない、という気持ちがあったようです。
だけど、それを自身で認めた上で、読み手側にどう読むのが一番なのか、ヒントを与えてくれています。
一見、言葉が繋がっていないように思えても、自分の頭でしっかり考えていれば、それは頭の中で繋がって行く、ということです。
よくよく考える
[五輪書]の中で、幾度と出て来る「よくよく考えること」と言う言葉ですが、そうはいってもどう考えればいいのか分からない、と言う人の為に武蔵が「考える」ことについて詳しく説いています。
どんな本を読む時にも共通して言えることは、ただ本を表面的に読んだだけでは、本の内容も著者の言葉もしっかり理解できたとは言えません。
サラっと読んだ場合と、何度も何度も繰り返し読んだ場合では、言葉の浸透率が違うからです。言葉が自分の中に浸透してくると、自然と自分の頭の中では消火活動が始まり・・・🔥🔥ボッ🔥🔥🚒=3(間違えました)
・・・消化活動が始まると、自然と自分の言葉に置き換えて頭の中で考えるようになります。私の場合は、そんな感じです。自分の言葉に置き換わらない時点では、まだ内容の消化率が浅い感じです。
また、本を部分的に読んだ場合と、全体を読み終わった場合でも本文の消化は異なり、解釈が途中で変わってくることもあります。
それは、武蔵の言葉を借りて言うなら、読む過程での文章の消化率の浅さからくる解釈の歪みと言えます。
消化率が上がった時に起こるリアクションは・・・

あっ!そういうことかぁ!
です。(笑)
目安にしてみてください。
何よりも、自分の思考の変化に自身で気づくことが大切なのです。
『二天一流』基本動作と体の使い方
よくよく考える、ということが分かったら、次に兵法における『二天一流』の基本的な考え方について説かれていました。
基本的な考え方の中でも、まず最初に心の在り方が説かれます。
そして、基本姿勢・眼の使い方・足の運び方と続いて行きます。
基本的な剣術で大切なことを武蔵先生にザックリ説明して貰うと

太刀を手に取れば、なんとしても相手を斬る!と言う心が大事じゃ
要は、『二天一流』の剣術における一つ一つの動作は、動作をひとつとして捉えるのではなく、全ては相手を斬る!という心に通じているものだ、という考えです。
剣術に関しては、剣士を目指している人、少年剣士を持つ親御さんにおすすめの部分です。
私も思わず本を読みながら

ココで面ッ!打つ!

そして、ココで・・・小手ねっ
と、妄想timeを楽しんでました。
心の持ち方
兵法における心の持ち方は、現代・昔問わず、誰にでも通じる部分だと言えます。
心の良い状態をイメージするには、私的には川の水と同じだと思っています。
なぜなら、川の水は流れている間は、透明で綺麗に澄み渡っていますが、水の流れが止まった途端、澄んでいた水は淀んで濁ってしまうからです。
私たちの心も同じで、常に緩やかに流れていなければ、邪念によって淀んでしまうということです。
兵法の道における身体の動きは、止まったり、俊敏に動いたりすることはあっても、心は常に一定で、ゆったり広く構え、心の動きに気を配ることが大事だ、と武蔵は言います。

知恵も心もひたすら磨くことが重要じゃ。そして、動揺しない心を保つべし!
眼の使い方【観・見】
『二天一流』を説く武蔵の眼の使い方には、2通りのパターンがあります。
武蔵は[五輪書]の中で、『二天一流』の兵法における重要ポイントのようで、何度もこの眼の使い方と心の在り方が説かれています。
火の巻

兵法の勝つ道理には、戦いの場の特殊性を上手く利用し、有利・不利な立ち位置を把握して、自分は有利に身を置き、相手は不利な場へ追い込むことが大切だということです。
また、1対1での張り合いになった時は、いつまでも張り合っていないで、いち早く相手の意表を突いた作戦に切り替え、相手を突き崩すことが重要だそうです。
『二天一流』の戦いにおいて個人でも他人数の戦いでも、常に心と体はゆったりと構え、相手の隙を狙って強く、素早く、打つことがポイントだと説いています。
相手を斬る!と思う真っ直ぐな心の持ち方と、広く鋭く見る眼によって、相手の崩れをいち早く察知し、即座に相手を突くことで、勝ちが得られるのです。
風の巻

【風の巻】では、他流の長所と短所、是と非に分けて考え、更に『二天一流』との違いについて書かれています。
武蔵が言うことをザックリと説明すると、他流の兵法は『兵法の道』を極めたものではなく、生計を立てる為の売り物として、表向きを飾り立て、偏った兵法の道だ、と言います。

世間の人の修練の技を見るかぎり、太刀の長さや大きさに拘り、強さに固執したりして、何か一つのことに偏った兵法の道に見える
武蔵の『二天一流』は、兵法の道を広く、真直ぐに捉えることを重要としているので、偏った考えはありません。
他流と『二天一流』の大きな違いは、兵法を360度の視点で捉えているか、部分的な視点で捉えているかです。
太刀の大きさに拘ったところで、戦いの最中で有効に働かなければ、勝てる道理に反している、と言えます。
武蔵は戦いの際、勝つことだけを考え、その時その場の戦いに臨機応変に対応し、戦いに応じた武器を用いて、負け知らずできました。
そう考えると、武蔵の兵法の道における真直ぐな思いからすれば、一つのことに拘り、凝り固まる心を嫌う気持ちが、よく分かるのではないでしょうか。
強い太刀・弱い太刀
太刀に強いも弱いもないという武蔵の考え方には、力任せに荒い戦い方をしたところで、相手は斬れないし、お互いに強くぶつかれば自分の太刀も折れ、砕けるということから、強い太刀は兵法の道にはなく、勝てないと説いています。
また、死闘を繰り広げて来た武蔵からすれば、戦いの最中に強く・弱くと考える余裕がないことも指摘します。
世間の兵法は剣術だけに限定した小さな考え方であり、普段から受け身の態勢やかわし方、抜けたり、潜ったりと言った技を修練するけれど、そうした動きに心がつられ、敵に振り回されることになる、とも言っています。
『二天一流』の兵法の道でいう『正しく真直ぐに』というのは、姿勢も心も真直ぐを基本とし、雑技のように体をくねらせて戦うのではない、ということです。
常に相手より優性な動きによって、相手を翻弄させる戦い方が勝つ道理では大切だと武蔵は言います。
空の巻

ちょっと分かりにくい表現ですが、私が思うにこれは『究極の境地』に至ることを指しています。
『知れないところを空とみる』とは、何かの道を究めようとする際、その人にとってまだ確立できていない部分が『空』だということです。
確立できていないので『無い』のだから、「空」ということなのです。
『有るところを知る』とは、道を究めようと目標を定め、日々の鍛錬を続けて行く先に道が開け、『究極の境地』に至ることで道を究めることができるのです。
武士としての行いは常に朝・夕怠らず、心・眼を2つの方法で修練すれば、一点の曇りもない究極の極致を得るだろうと武蔵は言います。
何かの道を志す時、本来の道の姿を知らないうちは、自分自身が信じる道を『確かな道』と思い、また『正しい道』のように思っているものです。
しかし実際は、正しく真直ぐな道にもとづいて、世間のその時の常識や、考え方などに合わせて見ていると、それぞれ心の偏りや歪みによって、本来の道から外れているものだ、と言います。
その偏りや歪んだ心を知り、正しく真直ぐな道を基本として考え、正しい心の在り方を道として兵法を広く行い、正しく明らかに、大きなところを思いとって、空を道とし、道を空と見るのです、と武蔵は言います。

空には善があって、悪はない。
知恵があり、勝つ理がある。
道はあり、心は空である
[五輪書]まとめ
今回は、宮本武蔵の[五輪書]を解説動画・字幕付き動画・本の感想と共にOUTPUTしてみました。
宮本武蔵の『二天一流』がどういうものなのか、最初は読んでもボンヤリしていたものが、何度も読み返して行くうちに、なんとなくその輪郭が見えてきたような気がします。
兵法における勝つ為の道理を極めた人物だけに、その見方・考え方は誰よりも『真直ぐで、一点の曇りもない』ことが、私にも分かりました。
強い信念と共に、眼と心それぞれ2つの使い方によって、物事を『真直ぐ・広く』見て捉えることが『二天一流』にとって大事なポイントだということです。
これは、兵法だけに限らず、人生全般において大切なポイントなのではないでしょうか。
[五輪書]に興味がわかれた方は、是非本を手に取ってみてくださいね。
因みに、戦い方の部分では[孫子の兵法]とも共通する部分を発見して、キャアキャア言っていた私です。
[孫子の兵法]も覗いてみてくださいね。
次回は、ホイジンガーの[ホモ・ルーデンス]を紹介したいと思います。
長文になりましたが、最後までご覧いただきありがとうございました。
【解説動画】
www.youtube.com
【字幕付き動画】
amara.org
【五輪書】